*只今里帰り帰国中* 横浜美術館/李禹煥 余白の芸術展

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今日は、久し振りに出来た時間を有効活用すべく、横浜美術館へ行ってきました。



 
 
初めて乗るみなとみらい線。
大江戸線ばりに地下深かった。。エスカレーターが長かったよう。
しかし横浜みなとみらいはまだまだ開発中まっただ中ですね。
なーんにもない空き地がどどーんとあったりして。
都内に比べると、道も店も余裕のある作りで、子連れには優しい感じがしました。
スローブも至る所にあるし。広いっていいなー。東京は狭いなー。

本当はトリエンナーレも攻めたかったところですが
今回はrie付きだったので、美術館だけでガマン、ガマン。

c0074421_074810.jpg李禹煥(Lee,U-fan)さんは70年代日本に出現した「もの派」の代表作家です。「もの派」とは、「手を加えない、そのままの“もの”を展示する事で作品とする」という特徴から来た名前。その名の通り李さんのインスタレーションは、自然そのままの石+鉄板というのが有名です。(写真↑参照)

全く異質同士の組み合わせが、何故か違和感なくひとつの作品として成立している不思議。
そこに漂うぴんと張りつめた緊張感も、李さんの作品の特徴だとわたしは思います。
←絵画は左の写真のように、白い世界のなかに点を置くという作風が主流。
キャンバスというものを、「絵を描く、埋めてゆく」ものだとすると
李さんの姿勢というのは、これに真っ向から立ち向かうものです。(実際、地は様々な白が塗られているのですが)

それなのに。
こんなに空白があるのに、“空っぽ”感がないのは何故なのか。

話は変わりますが、わたしは小学校時代、週一回あるお習字が大嫌いでした。
元々字が上手な方ではないし、用意や後かたづけは面倒くさいし。筆なんか洗うのを忘れてよくガチガチにさせたりして。そうすると、益々嫌になる悪循環。思い出してもあーいやだーー。
「富士山」とか、「輝く」とか、そういうのをお手本を見ながら書く時に
嫌いながらも、画数が多い字のほうが、先生に褒められる事が多い事に気付いたのです。
「一」とか、「子」とか、あとひらがなも難しい。
「角張っていて、なおかつ画数の多い漢字のほうが簡単なんだ・・・。どうしてなんだろう?」と考えて、はた!と思い当たったのです。

「そうか、書道って、空間を描いているんだ。」

だから、字の周りにより多くの空間を生み出す、画数の少ない字のほうが難しいのですね。

余白の芸術。あるいは、空間の芸術。
李さんは「自分の作品が、東洋的と言われるのは本意ではない」という発言をしていましたが
やはり東洋人からしか生まれて来ないのでしょうね、こういうアートって。
水墨画なんかも、余白の芸術ですよね。線描だし。
西洋の絵はどんどん埋めていくのが大前提ですし、全く異質のものです。

わたしが李さんの作品を好きなのも、自分が東洋人だから・・・?かどうかは分かりませんが
思わず背筋をぴんと伸ばしてしまう緊張感、そして、この品の良さ!
昔からとても好きな作家さんなのです。
どちらかというと、インスタレーションよりも絵のほうが好みだったのですが
今回のインスタレーションは、今までの彼らしからぬ(あくまでも主観です!)色気に溢れていました。
そうそう、李さんは、日大哲学科出身なのです。もともと、理論畑のひとなのですよ。彼の芸術論も、多数著作があります。わたしには難解すぎて歯が立ちませんー。
でも、この展覧会のところどころに書いてある作家のコメントは、とてもシンプルにわかりやすく、彼の世界観を示してくれるものでした。図録の他に、このコメントだけを集めたカタログも売っています。
哲学やる人は、詩を書けないとだめですよねー。

鉄板と石で出す色気って・・・?
気になる方は、どうぞ展覧会へ足を運んでみて下さい。

「李禹煥:余白の芸術」展
横浜美術館
12月23日まで。来週で終わりです!
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by koriom | 2005-12-17 23:48 | アート・ファッション
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