アメリカ出産体験記~出産編~
病室到着30分後
午前五時。 待ちに待ちに待ちに待った、麻酔医の登場です。 麻酔医はガリガリのおじいちゃんでした。。 で、「だ、だいじょうぶなの・・・?」と一瞬不安になるが、一刻も早く打って欲しい私はすがるような目で彼を見る。 「Do you want epidural ?」と言って私を見下ろす彼の背後に、本気で後光が見えました。。か、神様!痛くなくしてください! で、エピデュラル(硬膜外麻酔)を打ってもらっているところ。 ボストンで出産したときは、この麻酔を打つときに わざわざ座らせられて、正面にいるダンナさんの肩をぎゅう~~~っ!と掴み、 「背中を絶対動かさないで!」と言われながら背中に打たれました。 促進剤を使っての陣痛は、自然のものとはまた違ってものすごい痛いらしい。。。と言いますが このときの私がまさにそうで、全身冷や汗でびしょびしょになりながら、 「もうすぐ痛いのがなくなる!」のをただただ頼りに、やっとの思いで体勢を保っていたのでした。 思い出すだにあれは辛かった。。 が、今回は寝たまま。しかもこのおじいさん麻酔医が、アメリカ人には珍しく寡黙で 「ああしろ、こうしろ」という注文も無く、寝っ転がったまま、背中にてきぱきと打ってくれました。 ベッドに横たわり、背中をいじられながら、なんとなく安心感。ありがとう、おじいさん・・・。 5時半、エピデュラルを打ち終わる。 このとき、子宮口は7センチでした。 まだ痛いよう~。。痛い・・・とぶつぶつ言っている間に、(←*このときまだ全然痛みはピークではないにもかかわらず、相当へたれです。我ながら) 5分後、陣痛の痛みが遠のく。 ふぅ。。と一息。 ナースが入ってきて、「おしっこ用の管を通すわね」と言われる。 なんで?べつにおしっこしたくないのに・・・。痛いんだったらやだな。(←へたれ)と戸惑うが、 管を通した途端、おしっこが溜まる袋に、みるみる溜まってゆく! 今回これらの写真は、付き添っているダンナさんに「撮って撮って」と指示して撮影させたものですが、さすがにこの袋だけは撮ってくれませんでした・・・。 (ちなみにこの管も、ボストンでは通さなかった。) 痛みも無くなり、それまでいたナースも「じゃあね~。子宮口10センチになるまで、リラックスして待っててね」と、退室。 それからダンナさんと私を襲ってきたのは、強烈な眠気。 無理もないです。3時半に叩き起こされ、まだ早朝6時。。 ダンナさんは早速寝る体勢に入るが、わたしは眠いものの興奮気味でなかなか寝付けない。 そうこうするうちに、お腹が空いてきました。これも当然です。 うとうと眠りかけたダンナさんを起こし(1)、「なんか食べたいんだけど・・・」と言ってナースを呼び、食べて良いかきいてもらうが、当然ダメ出しをくらう。病院へ来る前に軽食を持ってこなかったことを、猛烈に後悔。(出産後、このことについて再び後悔することに) 6時半。突然血の塊がどぼっ!と出てくる。 びびってまたダンナさんを起こし(2)、ナースを呼ぶが、「ああ、こんなの、ふつう、ふつう。」と言われる。シーツを替えてもらう。それからもずっと羊水はたらたら出てくるし、それと一緒にたまに「ぼとっ」と血の塊が出てくる。でもいちいちナースを呼ぶのもなんだし、ダンナさんも寝てるし・・・で、不快ながらもガマン。 あんまり暇なので、妊婦撮影。 栄養剤?かなにかの点滴と、もうひとつはstrep用のもの。 6時から7時にかけて、もうあんまり暇だし、早く終わらせたい一心で 「まだ10センチに開かないのか」と、しょっちゅうダンナさんを起こして(3)ナースを呼んでもらってました。単なるカンだけど、絶対もういきみ始めてもいい状態にあるはず、と思っていたのです。 でも、「まだ9センチ」「まだまだ、9.5センチ」と粘らされ、結局いきみはじめたのは、4時間後の9時になってから。 これはおそらく、上記のstrepのせいだと思われます。 なんでも、このstrep用の点滴は 一本4時間、出来れば2本打ち終わるのが理想なんだそうです。 わたしはあまりに進行が早くて、一本終わるかも危ぶまれたのですが 「4時間打たないと、赤ちゃんが血液検査しなければいけないことになる」のだそう。 新生児の血液検査って、ものすごくかわいそうなのです。 足のかかとをちょっと針で刺して、ぎゅぎゅぎゅ~~!としごいて血を絞り出し、一定量になるまでそれを繰り返します。勿論その間赤ちゃんは号泣。 なので、4時間だらだら待っていたのだと思われます。 結局ちゃんと点滴が終わって良かったです。 でもこれがなかったら、もっと早く終わってただろうな。。 空も白み始め・・・。眠いのに何度も妊婦に起こされて眠れない、暇そうなダンナさん。 またもや暇な妊婦撮影。こんなものを指につけられます。ダンナさんに「うざいよう」と愚痴るが、無視される。出産って、点滴用の針といい、血圧用のバンド(自動で定期的に締め付ける)やら、ほんとに体中うざったいものだらけで不愉快極まりないのです。不愉快と言えば、今回の病院では待機の体勢を指示されました。横向きに寝て、膝の間に枕を挟むような体勢にされるのです。なんで好きに待たせてくれないのかしら・・・・。とまた文句を言うが、これがふしぎと楽ちんでした。LDRで産む方は、試してみてください。エピデュラルを打った後は、「片方の足に痺れが偏るようだったら、言ってね。身体を逆向きにするから」と言われるが、面倒くさいので考えないようにしてました。たぶん大丈夫だったのでしょう。 7時半。 麻酔医のおじいさんがチェックに来る。 7時40分。 羊水が突然、ジャーッ!と勢いよく出てくる。 陣痛が来るたびに、たらたら、と流れ出る。子宮が収縮してる感じがしますね。 8時。 ナースが来て、腹をなにかブザーのようなもので刺激。 何したの?と聞くと、「Babyが眠っていて、様子が分からないから起こしてみた」のだそう。 で、起きて活動してるからヨシ!なのだそう。なんだか面白くてテンションがあがってくる。が、いよいよ空腹が辛くなってきた。 8時45分。 「OK! No cervix !」いよいよレディらしいです。産まれた赤ちゃんを乗せるバシネットで、なにやら用意し始めるナース。あー、出てきたらここに乗っかるんだなぁ・・・。とぼんやり思う。 本格的にいきみはじめたのは、9時。 結局9時14分に産み落としたのですが、 途中なんども「お腹空いたー!」と叫びそうになりました。早朝に陣痛が来た人は、病院へ行く前に何か食べましょう。ぜったいです! はい、出てきました。 「終わった。。お腹空いたよう・・・」(ぐったり)と思う私と、胎盤を取り出すMD。手前のナースはへその緒を処理したりしている。へその緒を切るのは父親の役目・・・とは、日本もアメリカも共通の認識のようですね。でも、今回はこのバシネットに乗っけたrieの中途半端なへその緒をじょっきん!と切らせてもらったらしいですが、tamのときは、ほんとに私とつながっているへその緒を切らされたと言っていました。グロいのが苦手なダンナさんは、内心嫌だったことでしょう。わたしが必死でいきんでいる間も、このアングルで遠巻きにビデオ撮影していました。ちなみに(その1)アメリカでは、立ち会う父親に「ぐっとふんばれるように、彼女の足を支えてあなたのお腹に足の裏を押しつけてあげて!」と指示されます。つまり、丸見えな立ち位置、ということですね。嫌な人は断固拒否しましょう。わたしはしました。ちなみに(その2)普段の検診時、内診の時も、パートナーが同席するのは普通だし、隠してもくれません。「ほら、ここ」と指さされたりもします。びっくりしました。これは突然の出来事なので、拒否しようがないかもしれません。 10時、ナーサリーへ連れて行かれる。体重や頭囲、身長などを測る。 この間わたしは病室でグロッキー。空腹のため。 お風呂上がり。産湯に入れてくれるのも、なんだか珍しい。ボストンでは、ささっと拭くだけでした。どうしても風呂に入れたかったわたしは、Bathingクラス(赤ちゃんの洗い方を教えてくれるクラス)の実験台としてtamを供出したのでした。それでも、アメリカ式は拭くだけだったけど。 そんなこんなで、無事一通り終わり、しかもスピード出産だったので、担当のナース二人とMDは女子学生のようにきゃいきゃいはしゃいでいました。みんながハッピーそうな傍ら、空腹に耐えかね、ひどい頭痛までしてきたわたしは、「気持ち悪いんですけど・・・」と嘆願。「どうして?」と不審がるナースに、臆面無く「お腹が空いてるから」と答え、笑われながらサンドイッチとランチを持ってきてもらいました。貪りました。頭痛は無くなりました。ほんとうに、気持ち悪くて死ぬかと思いました。しつこいですが、早朝に産気付いた皆さんに声を大にして言いたいです。出産前に食べましょう!! 後産編へ続く。 ランキング参加中。「読んだよ」のワンクリックを。
by koriom
| 2005-05-27 01:29
| アメリカ出産体験記
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